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No.5072 2025.6.6




富士通 ESPRIMO D7011/HX を分解してみた








□1.4桁型番で色々変化

富士通 デスクトップ型 ESPRIMOですが、D5xxシリーズの三桁からD70xxの四桁へ変更されました。
それに伴い、外観や構造が色々と変更されました。筐体は、高さが18mm、奥行きが42mm小さくなりました。幅は変更ありません。 小型化に伴い5インチドライブが廃止され、ノートPC向けスリムドライブのみ取り付け可能となりました。




一番影響が大きい変更点は、PCI-Express スロットの仕様が変更されたことです。基本モデルでは、左側の1ヶ所のみロープロファイルPCI-Eのx4が取り付けできます。コネクタ後部に切り欠きがあるためx16サイズのPCI-Expressボードを取り付けることは可能ですが、x4での動作になります。その隣にある黒色コネクタのx16は、基本的に使用できません。一部のモデルではオプション設定でロープロファイルPCI-Eのx16スロットが使えるようですが、対象モデルが限られるようです。 更に一部のモデルでは、オプションのグラフィックボードを選択すると3桁ESPRIMOと同じように標準サイズのPCI-Eのx16が1スロット使えます。 購入時のオプション設定でライザーのみ追加することはできないようです。 ESPRIMO といえばスリムディスクトップ型であるのに、標準サイズのPCI-EもしくはPCIが2スロット使用できるのが長所であったため、残念な仕様変更です。




x4コネクタの後部は切り欠きがあるため、x16のボートを取り付けることが可能です。 その隣の黒いx16コネクタが標準で使用できないのが、とても残念です。



CPUヒートシンクです。前面ファンの風がヒートシンクに当たって冷却する構造です。



ドライブ取り付け部分です。マウンタは後部の黄緑レバーを押せば簡単に外れる構造ですが、取付時は前面の金属部分のはめ合わせが少し難しく、設計レベルが落ちたと感じさせられます。DVDドライブはスリムドライブ専用となり、3.5インチHDDが標準で取り付けられなくなりました。 レポート No.5071 CELSIUS J5010 (ESPRIMO D7010互換)3.5インチHDDを取り付けてみた にて3.5インチHDDを取り付ける方法について考察しています。



前面ファンは、マザーボードを後部にずらさないと外せない構造です。これは3桁ESPRIMOと同じです。



ファンは、デルタ製のQFR0812SH DC12V 0.50Aが使用されています。CELSIUS J5010では AVC DASD0825B2S が使用されていました。個人的な感覚では、AVCよりDELTAのほうが圧倒的に信頼性が上であるという認識ですが、今では AVC のほうが上ということでしょうか。






□2.電源ユニット

電源ユニットです。CELSIUS J5010では、80PLUS PLATINUMのAcBel製が使用されていましたが、ESPRIMOではBRONZEが使用されています。メーカーは、Chiconyという聞いたことのない会社ですが、キーボードやACアダプタで有名な台湾企業のようです。3桁ESPRIMOではDELTA製の電源が使用されていたと思いますが、どうやら決別したようです。出力仕様はPLATINUMもBRONZEも同じようで、12V1が16A、12V2が15Aとなっています。



電源内部です。部品密度は高いのですが、とても組み立てやすそうな設計です。ネジの数は多いのですが組み立てやすい構造のため、品質問題は起きにくいのではと思います。ネジを減らせ宗教のせいか最近は無茶ぶりが目立つ電源も多いのですが、電源ユニットは火災源にもなるためネジが増えても組み立てやすいほうが大切だと思います。



ファンを交換する時は、ボードのネジ留めも外す必要があります。



ファンは、FOXCONNのPVA070G12N DC12V 0.18A 2pinが使用されています。取付時は、ラベル面が内部になるように組み付けます。



電解コンは、写真中央部分左側のリード品が16V 2200uFです。パッケージの色がニチコンみたいですが、台湾メーカー品のようです。 発熱源のNchFET?と電解コンを密着させる設計はどうなのかな?と思います。



真ん中に降圧トランス、左側がDC12V生成部、右側はACtoDCの整流回路です。高圧側の平滑用電解コンは、450V 180uFとなっています。



基板背面です。右上側が高圧側、左下側が12V生成回路です。紙フェノールの片面基板ですが、割と攻めた実装密度です。



はんだ量が多すぎる気がしますが、紙フェノールでは標準なのでしょうか?ちょっと詰めすぎな気もします。



配線も紙フェノールとは思えないレベルの細かいピッチです。



AC100V側の回路基板です。AC回路は知見がないのですが、フリッカやサージノイズを徹底的に取るためのコイルやコンデンサでしょうか。



基板裏面です。こちらは攻めてない普通の紙フェノールの片面基板っぽいパターンです。



このパターンはAC100V系電源回路で時々見かけます。何のためかご存知でしょうか?コイルが付く場所で、ギザギザの上下は導通部分でテスターで測定すると0Ωです。コイルのインダクタンスおよび導体抵抗でギザギザ間の電位差は発生すると思います。



AC100V電源コネクタ部分です。測定器のように、アースと電極部分の間にバリスタかセラコンのような物が付いています。



続いて マザーボード の確認をしてみます。




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