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No.5069 2025.5.13
2025.6.1 追記




CELSIUS J5010(ESPRIMO D7010互換)マザーボードを確認してみる








□1.4桁型番で色々変化

レポート No.5068 CELSIUS J5010(ESPRIMO D7010互換)を分解してみた
の続きです。
D5xx/J5xxの3桁型番からD7010/J5010の4桁型番に刷新され、色々と細かい部分が変わりました。


マザーボードのチェックをしてみます。XeonやECCメモリ対応のCELSIUS J5010の基板であるため、ESPRIMO D7010とは多少異なる場合があります。
NVMeスロットは2ヶ所あります。1ヶ所目は、チップセットのすぐ横にあります。




2ヶ所目は、ドライブ取り付け箇所の横にあります。D588等までと同じ位置です。 チップセットからは遠い位置にありますが、こちらが1番目のスロットとなるようです。しかしこの部分は熱がこもりやすい気がしますので、チップセット近くのスロットを使ったほうが良いでしょう。



マウスやキーボードに使うPS2コネクタはオプション設定となります。オプションの有無によらずPS2用のコントローラーはマザーボードに実装されているため、写真のようにコネクタから線を引っ張ってくれば使用できます。



マザーボード全体の写真です。Lenovo傘下となってしまったためNECと共通化されるのではないかと心配しましたが、今のところはD588までの富士通レイアウトが踏襲されています。



無線LAN用のE keyコネクタがあります。オプション設定により実際に無線LAN用の子基板が付いている物もあるようですが、機種によってはコネクタが実装されていないようです。電源ボタンやLEDは、筐体取り付けからマザーボード実装に変更されました。



NVMeコネクタです。バッテリ電池やドライブ駆動用12V、5Vの4ピンコネクタが近くにあり、周囲の実装密度が高くなっています。



PCI-Eスロット、SATAコネクタ、USB3.1コネクタ、外部引き出し用USB2.0コネクタです。 USB3.1コネクタは、直接USBメモリが挿せるように、PCI-Eスロットから少し離されて実装されています。



チップセットの周囲です。色々なオプション用コネクタ、NVMeスロット、補助電源用4ピンコネクタなど、色々あります。



チップセットです。CELSIUS では、XeonやECC付きメモリに対応するため、チップセットにW480が使用されています。ESPRIMO D7010ではB460、D7011ではB560が使用されています。



チップセット側にあるNVMeコネクタのすぐ横に、nuvoTon NUC029FAE というArm Cortex-M0マイコンが搭載されています。D588にも搭載されていました。



背面のUSB端子近くに REALTEK RTS5444 というUSB Type-C 用のトランシーバICが実装されています。 前面にType-Cのコネクタが1つありますが、ここから引っ張っているのでしょうか???



CPUの電源回路です。ONセミのNCP302045という、特殊なFETが4ch実装されています。最大定格は平均45A、ピークで75A。PWM用の入力電圧は4.5〜20V、チップの電源電圧は5V。出力電圧は、外部からPWM信号を入力して制御するようです。出力電圧の設定やフィードバック機能がないのでスイッチングDCコンバータというよりは、保護回路やブートストラップ回路が内蔵されたFETと考えたほうが良いようです。




上記のNCP302045の近くに、ONセミのNCP81220というチップが実装されています。4chの各NCP302045にPWM信号を送る制御コントローラのようです。出力電圧の設定値は intel CPUからSVIDという信号がリアルタイムで送られて、その信号をNCP302045でPWMに変換する仕組みのようです。



電源回路に使用されている8pinタイプのNch FETです。 Alpha & Omega Semiconductor AONS36303、Vds=30V、Id=83Aという仕様です。Alpha & Omega Semiconductorという会社を知らなかったので調べてみましたが、一応アメリカの会社のようですが経営陣は全員中国人のようです。
今回取り上げた理由は怪しいFETが使用されているという訳ではなく、フットプリントの形状が気になりました。これだと十字のレジストの上にドレイン側の電極が乗ることになります。同じ形状の東芝FETやInfineonで推奨されているフットプリント形状とは大きく異なりますが、富士通さんのことですからキチンと信頼性を確かめた上でこのフットプリントを導き出したのだと思います。どういう狙いなのか聞いてみたいですね。



別の電源回路に使用されている8pinタイプのNch FETです。 プッシュプル回路の上段には、sinopower SM4508NHKP Vds=30V、Id=48A、 GND側にはsinopower SM4514NHKP Vds=30V、Id=70A が搭載されています。 sinopowerも知らないので調べてみましたが、台湾のメーカーのようです。



マザーボード裏面です。部品がいっぱい付いています。D588のときは裏面に部品がまったく付いておらずビックリしたのですが、普通の設計に戻したようです。



nuvoTon NCT6796D-E という大きなチップが搭載されています。ファンコントロールやキーボードやマウスのPS2コントローラー、プリンタのパラレルポートなどのパソコンに必要な機能を統合したチップです。



ST Micro STM32F030C8T6 というARM Cortex-M0の汎用マイコンが搭載されています。 何に使っているのでしょうか?



オーディオチップには、REALTEK ALC623 が使用されています。



S125NNE7 WGI219LM というインテルのイーサネットICが搭載されています。 ESPRIMOではオーバースペックな気がしますので、CELSIUS J5010のみ使用されていると思います。


DIODES PI3EQX10612ZLCE という USB 3.1 Gen-2 2ポート対応トランシーバが搭載されています。 チップセットで USB 3.1の制御を行い、USB規格の差動信号はこのトランシーバで送受信しているようです。


DIODES PI3EQX1004ZHEXというチップが搭載されています。USB3.1用のリドライバーとのことです。 リドライバーとは何のことやら意味が分からなかったので調べてみたところ、USBの配線長を長くするためのエクステンダーICのようです。






□2.CPU交換について

CELSIUS では、チップセットにW480が使用されています。 CPUは第10世代のCoreプロセッサが使用できます。Core i7やCorei3などが使用でき、XeonのW-1270やW-1250なども使用できます。Xeon使用時は、メモリもECC対応に変更する必要があるようです。W480自体は第11世代にも対応していますが、CELSIUSに第11世代のCoreプロセッサーを取り付けると起動すらしません。BIOSバージョンを2024/02/13(R1.61.0)に書き換えても駄目でした。



続いて 電源ユニット の確認をしてみます。




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