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No.0015 2023.6.13




電子負荷 KENWOOD PEL151-201 の紹介









□ 1.分解確認

PEL151-201 は、旧ケンウッド(現 テクシオ)がかつて販売していた定格150Wの電子負荷です。
ではさっそく中身を確認しましょう。




外蓋を開けた状態です。下面の基板が電源基板、真ん中に刺さっている基板が電子負荷本体、上のほうに刺さっている数枚の基板は制御用基板のようです。




フレキは、コネクタ上半分を上側にスライドさせてからフレキを抜く構造です。 分解するにはすべてのフレキと写真左側に刺さっているコネクタを外します。




前面パネルを外すには、このネジを外します。




左下の電源スイッチ、右側の出力端子のケーブルを外します。電源スイッチに刺さっているケーブルは、引っ張れば外れます。出力端子のケーブルはネジを外します。




上部の固定フレームを外した状態です。




中央の電子負荷基板を外すには、この端子部分を分解します。知恵の輪のようになっていますが、組み付けるときは、間違えて組み付けてショートさせないように気を付けます。外した電子負荷基板は、一番最後に説明します。




上側に刺さっていた基板1枚目です。




LOAD CONTROLとあるので、電子負荷の制御用基板のようです。各FETのゲート電圧を決める制御を行っているのでしょうか。




上側に刺さっていた基板2枚目です。基板左側に外部I/O端子があるので、インタフェース基板のようです。




SH7021 32bitマイコン(HD6437021TE20)が使用されています。古すぎてよく分からなかったのですが、1990年代半ば頃に発売されたようです。




74HC系のロジックICがてんこ盛りです。バブル時代のような基板です。右下にあるWinbondも懐かしいですが、W24258S-70LE というSRAMのようです。




下段から、JRC NJM4558 オペアンプ、日立 4052B マルチプレクサ、JRC NJM4558 オペアンプが並んでいます。




上段には、PCM1700U というオーディオ用の18bit DAコンバータが付いています。電圧生成用だと思いますが、さすが元オーディオメーカーです。




最後のGPIB基板は、数か所でネジ留めされています。




外した基板です。




コンデンサ0.01uFが後付けされています。リード部品が絶滅して、チップ部品も小型化された2010年頃までには消えた手法です。かつては製品基板に後付けでコンデンサを付けて安定化を図るといった手法が、家電や国産パソコン等でも行われていました。
後付けコンデンサが付いているTC74HC04は、NOT回路(反転回路)です。入力側のノイズを取るために後付けしたようです。




こちらにもSH7021 32bitマイコン(HD6437021TE20)が使用されています。先ほどはエプソンの水晶発振子が付いていましたが、こちらはセラロックらしきものが使われています。
マイコンの左側には、TMS99C14APELというGPIBコントローラが付いています。
その左のSN75160B、SN75161Bは、GPIBの信号用トランシーバICのようです。
マイコンの下側に、AD1861というANALOG DEVICE製のオーディオ用PCM DACが付いています。KENWOODと言えばオーディオですが、色々と未練があったのでしょうか。




基板が留まっていた金属フレームを外します。数か所のネジ留めがされています。




金属フレームを外すとき、空冷ファンのコネクタを外します。




ファンには、Panasonic製 TSF81371003 12V 0.25Aが使用されていました。




電源基板が見えました。




基板裏面です。




はんだ付けの怪しい箇所が3か所ありました。




先ほど外した電子負荷基板です。パソコンのグラフィックボードのような雰囲気です。




冷却ファンの風は、このヒートシンク内部の穴を通るようになっています。




背面には、アンプ回路のようなものが8回路分あります。




アンプ回路の拡大写真です。TEXAS INSTRUMENTSのOPA27というウルトラ低ノイズOPアンプが使用されています。高級オーディオ用のようです。




ヒートシンクに貼り付いているICです。




拡大写真です。三菱電機製のFS30SM-6というNch FETが使用されています。主な仕様値は、Vds=300V、Id=30A、Ron=0.13Ωです。
FETの右にあるのは、シャント抵抗のようです。パッケージには0.1Ωと記載されています。




ヒートシンク反対面も、同じようにFETとシャント抵抗が付いています。




AIRPAX 67F110というサーモスタットが付いています。
ちなみに、FETの前にある茶色いリード部品がセラコンです。その右側にある灰色のリード部品は、基板にD3とあるのでダイオードのようです。昔のダイオードには、このようなパッケージがあったようです。






次のレポートでは、電子負荷の使い方を簡単に説明します。




次レポート
>> No.0016 電子負荷 KENWOOD PEL151-201 の使い方





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