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No.2580 2025.8.20



BMW E46 プロペラシャフト脱着 ジョイントディスク 交換






□ 1.マフラー取り外し

プロペラシャフトのジョイントディスクを交換するためには、マフラーを外す必要があります。
マフラー本体を外す前に、ラムダセンサ(O2センサ)関連を外します。 真ん中に付いているサブフレームの後側はマフラーのマウンタ部分ですので、マフラーを取り外すまで残しておきます。 フロント側は、ラムダセンサ(O2センサ)の配線に使われているので最初に外します。




ラムダセンサのコネクタを外します。




ラムダセンサの配線を保護している樹脂カバーを外します。爪で数か所留まっていますので、ネイルドライバー等を使用して慎重に開けます。




外したコネクタやケーブルは、センサー近くにまとめてマスキングテープ等で固定しておきます。邪魔ならセンサーを外してしまってもかまいません。




配線を固定する樹脂マウンタを外します。ボルト(木ネジ)で数か所留まっています。




マフラーの外し方は省略しますが、フロント側エキマニ部分のナットを外し、センター部分のマウンタを外してから、リア側のマウンタ2ヶ所を外します。フロント側エキマニ部分のナットは、バーナーで十分に加熱させてから外します。熟練の整備士でもない人がいきなりやると、加熱加減が分からずに必ず失敗すると思います。お金を払ってでもエキマニ部分のナットを緩める作業だけは、整備業者にやってもらったほうが良いです。
エキマニ部分のナットを舐めたり、ボルトを折ってしまうと以下の地獄の作業が増えます。

レポートNo.2578 BMW E46 マフラー脱着、ボルト折れ、エキマニの取り外し

マフラーは非常に重たいので、マウンタを外すときはリフト等を使用して荷重を支えます。写真ではバイク用のリフトを使用しています。








□ 2.プロペラシャフト取り外し

マフラーを外したら、ここからが本番ですが作業自体は簡単です。
まずはプロペラシャフトを隠している遮熱版を外します。




真ん中の大きい遮熱版を外します。ボルト(木ネジ?)で数か所、留まっています。フロント側を取り外す場合、マフラー周辺の遮熱版のナットをいくつか外す必要があります。




遮熱版リア側にもボルト留めの部分があります。




遮熱版を外した状態の、センターベアリング部分です。実際にやってみるとマフラー取り外し歴のないE46において、ここにたどり着くのがいかに大変か分かると思います。




ジョイントディスク部分です。




分割部分にも合いマークを付けます。分かりにくいですが、フロント側のスプライン部分にも赤マジックでマーキングしています。ナット部分にもマーキングをしていますが、後述しますが交換必須のため意味はありません。




フロント側はマーキング困難なため、そのまま外してしまいました。慎重に外せばマーキング可能ですが、重量のあるジョイントディスクのバランス調整が不可能なため、あまり気にしても仕方ないと思います。




ボルトを外した状態です。




E46は、車種によるトランスミッションとデフの差をプロペラシャフトで吸収しています。ですので、 AT、MT、前期、後期、4気筒、6気筒の組み合わせで各々専用品番があり、それぞれ長さが異なります。 どのプロペラシャフトが使われているかは白いシールが貼られていて、このラベルで実際の品番を確認する必要があります。
流用を考える場合、短い場合はジョイントディスク側に何かしらのスペーサーを入れれば何とかなるかもしれませんが。。。




リア側は、ジョイント部分を隠すように付いているサブフレームを外す必要があります。




外す前に、デフ側とプロペラシャフトに合いマークのマーキングをしておきます。




プロペラシャフトを外した状態のミッション側です。




プロペラシャフトを外した状態のデフ側です。組み付け前にしっかり清掃と防錆処理をしておきましょう。




なんと、デフマウントのブッシュ部分に亀裂が。。。
今回は交換しませんが、デフを降ろさないといけないので面倒なんですよね。




両側ともかなりパックリ割れています。








□ 3.プロペラシャフト取り付け

ジョイントディスクに致命的な亀裂はありませんでしたが、経年変化で硬化してしまい、ゴムの弾性がありません。 こちらの社外品の新品に交換します。 MTとATで品番が異なり、ATの品番は、26117511454 です。

ちなみに組み付け時ですが、ジョイントディスクをプロペラシャフトに予め組み付けてからミッションに連結させる場合と、ミッション側に取り付けてからプロペラシャフトを取り付ける方法があると思いますが、海外でもどちらにするかは人それぞれのようです。




困ったのが分割式プロペラシャフトの連結部分を締め付けるスレッドリングナット。品番は、26117514037。内部の樹脂部分が経年変化でボロボロになっていたため純正部品を取り寄せようとしたところ、国内在庫がありませんでした。アメリカ AmazonやURO Tuningでも取り扱いがなく、仕方なくECS Tuningでfebi製の社外品を購入しました。ECS Tuningは品揃えが最高ですが、関税の見積もりを高めに設定しているためか送料が高めなのが悲しいところです。

ナット部分のソケット径は45.8mmです。緩めるときはモンキーレンチを使って緩めました。ちなみに既定の締め付けトルクは10Nmのようです。組み付ける前に、プロペラシャフト側のスプラインの連結部分およびこのナット内側の樹脂のスプライン部分にグリースを塗布します。 オイルフィルターの締め付けトルクよりかなり緩いため、締め付け時は工具を使わず、手で掴んで軽めに締め付ける程度にしました。
このナットは、フロントのジョイントディスク、リアのデフ、センターベアリングのすべてを取り付け終わってから、最後に締め付けます。




センターベアリング交換等で、プロペラシャフトを分割してしまった場合、分解前に白マジック等で付けたマーキングに合わせるのが基本ですが、前後のユニバーサルジョイントの中心が下図のように平行しているか確認します。




ジョイントディスクには向きがあるようで、写真のようにディスクから突き出ている部分の右側にプロペラシャフトが付くようにします。
ジョイントディスク側の締め付けトルクは、M12のため100Nm にしました。




リヤのトルクスボルトは、83Nmのようです。
ちなみにリア側のユニバーサルジョイント(スパイダー)がE46の弱点で、ここが駄目になると振動や異音、燃費悪化などのトラブルの原因になります。分解できる構造になっていないため、新品かリビルドしか方法がありません。プロペラシャフト新品の値段は約31万円で、国内在庫は無くドイツ本国より取り寄せになります。国内だと1社リビルドをやってくれるところがあります。




センターベアリングは、フロント側に4〜6mmスライドさせて固定しなければいけないようですが、力いっぱい引っ張るとゴムに負担が掛かってしまい、冬の寒いときにベアリングから異音が発生します。ですのでそのまま取り付けて良いようです。海外の動画を見ても、オフセットせずにみんなそのまま取り付けています。ボルトの締め付けトルクは、21Nmのようです。




最後にスレッドリングナットを既定のトルクで締め付けて、ひとまず完了です。
あとは遮熱版やマフラーなどを取り付ければ完成です。二柱リフトがあれば難しくない作業です。



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