| |
慣れれば簡単ですが、初めてだと困難なプロジェクト作成からデバック接続までを説明します。
e2studioを起動して、
「ファイル(F)」⇒「新規(N)」⇒「Renesas C/C++ Project」⇒「Renesas RA」を選択します。
Renesas RA C/C++ Projectを選択します。
作成するソフトのプロジェクト名を「Projectname」に入れます。半角英数字のみ入力します。
対象マイコンを設定します。
Deviceの右側にある「...」をクリックします。
使用するマイコンは、RA6T2、64pin、R7FA6T2BD3CFMです。
「RA6」⇒「RA6T2」⇒「RA6T2 - 64Pin」⇒「R7FA6T2BD3CFM」を選択してOKボタンを押します。
Deviceの表示が選択したマイコン型番に変更されていることを確認し、次へ(N)ボタンを押します。
Noneが選択されていることを確認して、次へ(N)ボタンを押します。
Executableが選択されていることを確認して、次へ(N)ボタンを押します。
Bare Metal - Minimal が選択されているはずですので、そのまま次へ(N)ボタンを押します。
プロジェクトのファイルが自動生成されますので、しばらく待ちます。
空のプロジェクトができました。左側のプロジェクトエクスプローラに表示されているconfiguration.xmlをダブルクリックすると、FSPのプロジェクトの概要が表示されます。
まずはマイコンの動作に必要な、クロックの設定を行います。
Clocksタブを選択すると、クロック設定の画面になります。
初期設定では、外部クロック(XTAL)を使用する設定になっているため、内部クロック(PLL Src: HOCO)に切り替えます。
するとPLLのクロックがオーバークロックになってしまい、エラーとなってしまいます。
PLLの倍率設定「 PLL Mul x24.0 」を、「 PLL Mul x12.0 」に変更します。
PLLのクロックが上限の240MHzとなり、エラーが消えました。
今回は何の機能も使用しないため、ほぼすべてのクロックは0Hzのままにしておきます。
次にマイコンのピン設定を行います。今回はデバッグ端子のみの設定です。
「Pins」タブをクリックすると、設定画面になります。
「Debug:JTAG/SWD」の「JTAG/SWD」を選択して、設定画面を開きます。
初期状態では「Operation Mode」がJTAG(J-LINK)になっています。
E2 Liteで使用したい場合、「Operation Mode」を「SWD」に変更します。
初期状態ではピンが割り当てられていないので、エラー表示が出ています。
E2 Liteで使用したい場合、
SWCLKにPA14、SWDIOにPA13のポート(ピンアサイン)を割り当てます。
次に、デバッグ接続をするために、コンパイラ(ビルダー)の設定を行います。
プロジェクト名の部分を右クリックして、一番下にあるプロパティ(R)を選択します。
「C/C++ ビルド」⇒「設定」で設定を開きます。
「ツール設定」タブを開き、「Debug」を開きます。
「Debug Level(-g)」にチェックを入れ、「Debug format」は「dwarf-3」を選択します。
最後に右下の「適用して閉じる」ボタンを押して、設定を完了します。
空のプロジェクトですが、マイコンに書き込むソフトをビルドします。
プロジェクトエクスプローラーでプロジェクト名が選択された状態で、
「プロジェクト(P)」⇒「プロジェクトのビルド(B)」を選択します。
空のままでコーディングミス等もないため、コンソールウィンドウには正常にビルドできたメッセージが表示されます。
ではこのビルドしたソフトを、マイコンに書き込んでデバッグしてみます。
初回ではデバッグに使用するツールの設定が必要です。
「実行(R)」⇒「デバッグの構成(B)...」を選択します。
「Renesas GDB Hardware Debugging」⇒「RA6T2 Debug_Flat」を選択します。
初期状態で使用するデバッガは、J-Link SWD接続になっています。
ここからは、@E2 Lite SWD接続と、AJ-Link JTAG接続の方法について説明します。
ちなみにSWD接続とJTAG接続の違いは通信速度のみで、デバッグ機能について違いはありません。
JTAG接続のほうが、デバッグがサクサクと素早く動きます。
@ E2 LiteSWD接続
Debug hardware を「E2 Lite(ARM)」に変更します。
「Connection Setting」タブを開きます。
「ターゲット・ボードとの接続」の
「タイプ」がSWD、「接続速度(kHz)」がAuto になっていることを確認します。
「電源」の「エミュレーターから電圧を供給する」をいいえ にします。
設定が完了したら。右下の「適用(Y)」ボタンを押して、「デバッグ(D)」ボタンを押します。
「デバッグ(D)」ボタンを押す前に、E2 LiteとパソコンをUSB接続し、E2Liteとマイコンボードをフラットケーブルで接続し、マイコンボードに電源電圧を供給しておきます。
| |
AJ-Link JTAG接続
Debug hardware を「J-Link(ARM)」に設定します。初期設定であれば、J-Link(ARM)になっているはずです。
「Connection Setting」タブを開きます。
「Interface」の
「Type」をJTAG、「Speed(kHz)」をAuto に変更します。
設定が完了したら。右下の「適用(Y)」ボタンを押して、「デバッグ(D)」ボタンを押します。
「デバッグ(D)」ボタンを押す前に、J-LinkとパソコンをUSB接続し、J-Linkとマイコンボードをフラットケーブルで接続し、マイコンボードに電源電圧を供給しておきます。
| |
デバッガの初期動作、マイコンとの通信などが行われますので、
しばらく待ちます。
マイコンボードの配線などが間違っていると、エラー 0x00030815 が発生します。
正常にマイコンとの通信が行われデバッグ動作ができるようになると、
画面がデバッグモードに切り替わります。
再生ボタンを押してブレークを解除します。
再び hal_entry()関数のところでブレークが掛かるはずです。
実際の処理は、hal_entry.c ファイルの hal_entry()関数内に記述します。
今回は空のプロジェクトのままですので、ここでデバッグ動作を終了します。
四角い停止ボタンを押して終了させます。
デバッグ画面から抜けるには、「C/C++」タブをクリックします。
以上でデバッグをする環境が整いました。
それでは次回からは、実際にマイコンを動かしてみます。
|