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No.3027 2023.8.20


B-CASカードのいらないACAS方式のBS4K対応 地デジチューナー








□1.4K対応の液晶テレビには、B-CASカードが付属していない

4K対応の液晶テレビを買ったのですが、B-CASカードが付属していませんでした。
欠品だと思ったので販売店に問い合わせようとしましたが、
そもそも取扱説明書を読んでも本体側にB-CASを挿すスロットが見当たりません。

レポートNo.3006 B-CASカードのいらないRMP方式の地デジチューナー で説明したように、いつの間にかRMP方式にてBS/CSにも対応したのでしょうか?

何もしない状態で地デジを視聴してみましたが、普通にフルセグで表示できました。



□2.ACAS方式

結論から言うと4K対応の液晶テレビには、B-CASカードの代わりとなる物がテレビに内蔵されています。
具体的には、ACASという方式が用いられています。ACASはAdvanced CASの略で、B-CASにはハイフンが入っていましたが、ACASはハイフンを入れないのが正しいようです。
対応する団体が出来たのは2015年10月のようです。2018年12月からBSで4K放送がスタートしましたので、BS4Kを事業化するにあたり設立されたようです。

ACASの管理団体はRMPのように一般社団法人です。会員や組織構成も、RMPに衛星放送やケーブルテレビ等の事業者が参加した感じです。



表 ACAS、B-CAS、RMPの比較
方式 B-CAS RMP ACAS
管理 株式会社ビーエス・コンディショナルアクセスシステムズ 一般社団法人地上放送RMP管理センター 一般社団法人新CAS協議会

URL

https://www.b-cas.co.jp/ https://www.trmp.or.jp https://www.acas.or.jp
設立 2000年2月 2011年6月 2015年10月
対象媒体 BS/CS
地上放送
地上放送 BS4K/8K
BS/CS
地上放送

スクランブル
解除方式

B-CAS ICカードの鍵データによるハードウェア方式 鍵データを含めたソフトウェア方式 鍵データを含む専用ICによるハードウェア方式




□3.B-CASとACASの技術的な違い

ACASでは専用のICチップを使用することで、B-CASのようにスクランブル化された放送を視聴することができます。ICチップにした理由は、「現行カードによる不正改ざん問題を背景として、カード形態からICチップ形態とする」と明言されていますので、セキュリティ対策で専用IC方式になったようです。以下の新CAS協議会の公式資料を見ると分かりやすいです。


総務省 新たなCAS機能に関する検討分科会(第1回)配布資料
資料1−6 新CAS協議会資料 【新CAS協議会】
https://www.soumu.go.jp/main_content/000593233.pdf



※クリックをするとリンク先の総務省分科会の資料が開きます



公式サイトには他にも色々と分かりやすく技術的な説明がありますので、 一度目を通してみると良いと思います。


一般社団法人新CAS協議会 新CAS(ACAS)チップの概要
https://www.acas.or.jp/filename6.html







□4.ACASとB-CASの今後

ACASは、2022年度末の時点でID鍵発行件数(=ACASチップの理論生産数)が2400万件です。4K対応チューナを搭載したテレビには必ずACASのチップを使う必要があります。チップが搭載された4K対応テレビは、1500万台を超えているようです。いっぽうBCASの発行枚数は、2022年度末の時点で累計2億8968万枚です。2022年度のみでは373万枚の発行です。2019年は約995万枚であったため、5年間で600万枚も減りました。図はACASとB-CASの年度ごとの発行件数と累計件数の推移です。

図 B-CAS、ACASの推移



B-CASの累計数が圧倒的なため、累計数を除いた年度ごとの推移です。
2022年度にACASがB-CASを抜いたようです。

図 B-CAS、ACASの発行件数推移



B-CASは株式会社で色々と厳しい目を向けられているためか詳細な数字を公開していますが、ACASは一般社団法人が詳細な数字を公開していないため単純に比較はできませんが、B-CASの勢いが落ちていることは確かなようです。

今まで発行されたB-CASカードの数は膨大なため、現行の地デジ放送が終了しない限り管理の観点からも存続されると思われますが、ACASの経緯や技術理由からも今後はACASとRMPに置き換わるのではないかと推測されます。




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