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No.5053 2024.9.21




中古HDD、SSD、NVMeの買い方








□1.中古HDDの買い方

HDDの購入は新品をおススメします。
HDDはバスタブカーブのお手本のような壊れ方をするため、
初期不良を避けるために状態の良い中古を買うのは合理的かもしれませんが、
初心者が見分けるのは困難です。

数年で壊れたとしても、安ければ良いという環境であれば中古で十分です。
中古HDDを買うときのポイントを紹介します。

まず、CrystalDiskInfoの情報が明示されているものを買いましょう。
店頭で販売されている物も、以下の情報が明記されていれば大丈夫です。
以下の情報が不明な場合は、購入を止めましょう。


確認する情報は、「電源投入回数」、「使用時間」、「代替処理済のセクタ数」、「代替処理保留中のセクタ数」です。

「電源投入回数」、「使用時間」については、店頭販売でも公開している場合が多いです。HDDは、モーターやヘッドが可動部品で物理的な消耗や劣化が発生します。ヘッドは時間経過と共に磁化や変形、クリアランス悪化による位置ずれ等も起こします。モーターは回り始めるときが一番電流が流れるため、電源投入回数が多いとモーターはもちろんモータードライバIC(FET)等も劣化する場合があります。

「代替処理済のセクタ数」は、いわゆる不良セクタです。プラッタ表面に塗布された磁性体の劣化や破損によって発生します。プラッタ表面に異常がなければ、この値は常にゼロです。0よりも大きい値の場合は、プラッタの劣化破壊が進行して値が増えて行きます。ですので必ず値がゼロであることを確認します。店頭販売ではこの値を表示していない場合が多いため、店頭購入は控えたほうが良いです。

「代替処理保留中のセクタ数」は、書き込み時にエラーが発生したけれど不良セクタかどうかは確定できていない状態を指します。物理フォーマット(ローレベルフォーマット)を行うと、この値がゼロになって「代替処理済のセクタ数」が増えるか、不良セクタではなかったと判定されて「代替処理済のセクタ数」が増えない場合があります。運が良ければ良品ですが、怪しい状態であるのは間違いないため、確実性を求める場合は手を出さないほうが良いでしょう。ちなみに全領域物理フォーマット済と記載されていて、この値がゼロでない場合、嘘を言っていることになります。不良セクタが存在すると、場合によってはフォーマットが進行しなくなるため、HDDは故障していると言えます。

その他に確認したほうがよい点は、異音の有無についての記載を確認したほうがよいでしょう。カッコンカッコン、ジージジジと異音が鳴っているのは、故障品であり産廃です。









□2.中古NVMe、SATA SSD、M.2 SSDの買い方

HDDと異なり、ヘッドやモーターといった物理的に壊れる部品はありません。
品質管理がしやすいため、HDDと比べて初期不良が起きにくいのも特徴です。
しかしNAND自体が寿命部品のため、HDDとは異なる値を注視する必要があります。
また、一部の製品ではNANDを制御するコントローラーICが、自己発熱によって壊れる場合があります。こういった不具合は製品として傾向がみられるため、Amazonや価格com等の評判を確認しましょう。

確認する情報は、「使用率」、「総書き込み量(ホスト)」です。
NVMeやSSDは、電源投入回数や使用時間の影響を受けません。例えば電源投入回数が10万回、使用時間が10万時間でもまったく問題ありません。HDDと異なり、NVMeやSSDでは意味のない値です。CrystalDiskInfoの情報が明示されていても、電源投入回数や使用時間のみで「使用率」や「総書き込み量(ホスト)」が表示されていないもしくは非表示にして隠している場合があります。そういった業者は悪徳業者ですので控えたほうが良いでしょう。

「使用率」は、メーカーの想定する寿命となる総書き込み量を分母として、実際の総書き込を割った百分率の値です。新品の場合、この値は必ずゼロです。16進数表示の場合、64で100%使用したことになります。最大でFF(255%)まで増えてゆき、それ以上書き込んでも値は増えません。中古で購入する場合、この値が0に近いものを選びます。例えば22となっていた場合、その値は16進数ですので10進数に変換すると34%の使用率ということになります

「総書き込み量(ホスト)」はコントローラが受け取った書き込みデータの総量です。
512000バイトごとに1ずつ加算されます。下図の例の場合、1C041D0となっています。 16進数値ですので10進数に直すと、29,376,976です。
29,376,976 x 512000 byte = 15,041,011,712,000 byte = 約13.68TB 書き込まれたことになります。
使用率は7となっています。13.68TB ÷7 = 約2001.14GB 書き込まれるごとに使用率が1カウントされることになります。
よって SAMSUNG MZVLW128HEGR 128GB についてメーカーが設定する寿命値は、約195.42TBということになります。
寿命値はかなりのマージンを持たせている場合が多く、超えても普通に使うことができる場合がほとんどです。ただし使用率が増えると、寿命値未満であっても読み書きする速度が低下する等のパフォーマンス低下は発生します。
一般的なNAND書き込み寿命のおおよその目安は、1GB=1TBです。128GBのSSDやNVMeの場合、128TB(131072GB)程度の総書き込み量までは大丈夫ということになります。








NVMeやSSDは、メーカーや製品によって表示される情報が異なります。
以下はAmazonにて格安で売られていたSSD、KLEVV NEO N510+ 240GBです。

この場合に確認する情報は、「残り寿命」、「総書き込み量(ホスト)」、「総書き込み量(NAND)」です。

「残り寿命」は、使用率とは異なり、100からカウントダウンします。16進数で示すと64ですので、下図の場合は残り寿命100%となります。中古で購入する場合、この値が64に近いものを選びます。

「総書き込み量(ホスト)」は、コントローラが受け取った書き込みデータの総量です。「総書き込み量(NAND)」は、コントローラは受け取ったデータを一時的にキャッシュメモリに保管しておき、無駄なデータ領域が極力発生しないように圧縮してNANDに書き込むため、実際にNANDに書き込まれたデータ数を指します。計算方法は上記のSAMSUNG NVMeと同じで512000 byte 書き込まれるごとに1カウントアップされます。
コントローラによっては、キャッシュメモリがなく受け取った書き込みデータをそのままNANDに書き込むものがあります。価格の安い製品ではキャッシュメモリなしの場合が多く、NANDの寿命も短くなります。





その他に確認したほうがよい点は、物理的な破損です。
NVMe や M.2 SSD は、基板が非常に薄いため、反りによって基板が破損、断線している場合があります。表面実装されている部品が取れてしまっている場合もあります。例えばチップコンデンサが取れてしまうと、とりあえず動くけれど動作が不安定、速度が遅いといった症状が現れます。たちが悪いのは、組み付けて応力が掛かっている状態では、断線している箇所がくっついて動いてしまって動作するが何か不安定という場合です。基板の断線を目視で判断するのは不可のであるため、取り外しや検品作業において、どういう扱われ方をしていたのかまでを想像する必要があります。


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