Copyright (C)SUWA TSUSHIN NETWORK.
All Rights Reserved. TOPへ戻る
スポンサードリンク

No.5007-1 2018.3.7




Windows リモートデスクトップのまとめ1 〜概要、設定、操作〜





>> まとめ2 〜レスポンス改善〜 に進む
>> まとめ3 〜Windows10でリモートデスクトップの速度を改善させる2〜 に進む



一度設定してしまうと設定方法を忘れてしまうため、まとめてみました。
Windows10にてリモートデスクトップが遅い症状にも悩まされたため、その解決策も公開します。




□1.リモートデスクトップとは?

リモートデスクトップとは、LAN経由で別のパソコンにログインして操作する機能です。
ログイン先のOSは仮想環境ではなく実環境のため、操作する側のパソコンは負荷がほとんど掛かりません。
操作する側のパソコンでは、ウィンドウの1つとしてログイン先のOS画面が表示されるため、
複数のパソコンに対して同時にリモートデスクトップで操作することもできます。


CPU切替器(KVM)でそれぞれのパソコンを操作しようとすると、下図のように配線が煩雑になり、その都度スイッチで切り替える必要があります。 リモートデスクトップを使用すれば、それぞれのパソコンのデスクトップ画面をウィンドウとして操作することができます(Windows上でアクティブウィンドウを切り替える必要はあります)。リモートデスクトップのデメリットは、パソコンのBIOS画面が表示操作できないことくらいです。 マルチディスプレイ構築環境では、各ディスプレイごとに各パソコンのデスクトップ画面を最大表示で操作することもできます。



左:KVMによるパソコン複数操作
右:リモートデスクトップによるパソコン複数操作



□2.リモートデスクトップの設定方法

設定は、アクセスされるほうのパソコンを設定します。
※上図のパソコン2〜4

流れとしては、

 (1)リモートデスクトップを有効にする
 (2)リモートデスクトップでログオンするアクセス権を設定する
 (3)ネットワーク上で他のパソコンから見つけられるようにする
 (4)スリープや休止状態を無効にする

の4つになります。

細かい部分で若干異なる場合がありますが、
基本はWindowsXP、Windows7、Windows8、Windows8.1、Windows10のすべてで同じです。
Pro(Professional)版でのみ利用でき、Homeでは利用できません。
 ※Windows2000 Serverは、ターミナルサービスの機能を使用してリモートデスクトップが利用できます。
 ※Windows2000 Professionalは、NetMeeting等の機能を使用してリモートデスクトップが利用できます。

以下、Windows10で説明します。
細かい部分は省略して、要点のみ説明します。

(1) リモートデスクトップを有効にする

システムのプロパティの[リモート]タブにある、[リモートデスクトップ]の設定を変更します。
「このコンピューターへのリモート接続を許可する」を選択します。 このとき、その下にある「ネットワーク レベル認証で・・・」のチェックが外れていることを確認してください。




(2) リモートデスクトップでログオンするアクセス権を設定する

この設定はWindows10などの場合に行います。
WindowsXPなどのパソコンでは不要です。(該当のアクセス権がありません)
ログインで使用するユーザーIDに「Remote Desktop Users」のグループ権限を追加します。
※Administrator権限には初期設定でRemote Desktop Users権限が含まれるため、
 Administrator権限を持つユーザーには設定しなくてもかまいません。




(3) ネットワーク上で他のパソコンから見つけられるようにする

リモートデスクトップはファイル共有と仕組みが異なるのですが、リモートデスクトップでアクセスを試みるときの名前解決等で必要な権限になります。
共有の設定で、「ネットワーク探索を有効にする」、「ファイルとプリンターの共有を有効にする」を選択します。




(4) スリープや休止状態を無効にする

リモート接続しているパソコンがスリープや休止状態になってしまうと、そのまま復帰できなくなります。
もちろんそのパソコンまで行って電源ボタンを押すなどすれば復帰しますが、面倒です。
ちなみに、WOLのマジックパケット等でも、復帰できません。







□3.リモートデスクトップで接続する

リモートデスクトップに使用する端末の操作について説明します。
※上図のパソコン1

前提条件として、アクセスされるパソコン(上図のパソコン2〜4)は、
電源ONの状態でWindowsがログイン画面状態である必要があります。


方法としては以下の2種類があります。

 (1)ネットワーク一覧から直接アクセスする
 (2)RDP設定ファイルを作成して、アクセスする

以下、Windows10で説明します。
細かい部分は省略して、要点のみ説明します。

(1) ネットワークの一覧から直接アクセスする

接続したいパソコンを右クリックして、[リモートデスクトップ接続を使用して接続する]
を選択すると、ログイン画面のウィンドウが表示されます。
以後は、そのウィンドウ内で普通のパソコンとして操作できます。





WindowsXPなどの古いパソコンに接続しようとすると、以下のような警告が出る場合があります。
[このコンピューターへの接続について今後確認しない]にチェックを入れて、[はい]を選択します。



(2) RDP設定ファイルを作成して、アクセスする

[スタート]メニューのプログラム一覧から、
[Windowsアクセサリ] の中にある [リモートデスクトップ接続] を起動します。

 


以下のウィンドウが表示されます。
オプションの表示をクリックします。



コンピューター名には、接続したいパソコンのコンピューター名を入力します。
基本的にコンピューター名で接続を試みるので、NetBIOS over TCP/IP を有効にする必要がありますが、
Windows10では詳細不明ですが別の方法で名前解決を行っているようです。
ちなみにIPアドレスでも接続可能です。

ユーザー名にはログオンするユーザーIDを入力しますが、リモートデスクトップ上で入力したい場合は空欄にします。

[資格情報を保存できるようにする] にチェックを入れると、初回はパスワード入力を求められますが、2回目以降は入力を省略できます。

すべての設定を完了したら、接続設定の[名前を付けて保存]を選択し、任意のファイル名を付けて保存します。
通常はコンピューター名で保存します。設定ファイルはRDPという拡張子になり、右クリックで編集が選択できます。




[画面]タブは、画面や画質に関する設定ができます。
画面の設定は、[全画面表示]にすると接続時にウィンドウが最大で表示されます。
最大表示にしたくない場合は、適切なサイズに変更します。

[リモートセッションですべてのモニターを使用する]を選択すると、
端末がマルチディスプレイ環境の場合はマルチディスプレイでリモートデスクトップ接続ができます。

[画面の色]は、最高画質(32ビット)に設定します。この設定を小さくすると通信で必要な帯域を削減できますが、 100Mbps以上の通常のLAN環境であれば他の通信に影響がないので、最大画質に固定します。



[ローカルリソース]タブは、端末パソコンでの操作関連の設定ができます。
接続先のパソコンの音声を、端末パソコンで聴きたい場合は[リモートオーディオ]を有効にします。
有効にすると無音状態でも帯域を消費するため、音声が不要な場合は無効にします。
割と帯域を消費するため、1000BASE-Tの環境で使用することをオススメします。

[キーボード]は記載通りの内容です。例えばキー操作をしたとき、リモート接続先のパソコンに対する操作なのか、 端末パソコンに対する操作なのか、ユーザーとWindowsで認識が異なる場合があります。
その間違いを防ぐための設定です。

[ローカルデバイスとリソース]はデータのやり取りに関する設定です。
例えば[クリップボード]にチェックを入れておくと、リモート接続先のパソコンでコピーした
テキストを端末パソコンのテキスト文書に貼り付けることができます。




[エクスペリエンス] は通信品質に対する設定ができます。
通常は、[接続品質の自動検出]を選択します。
数値が低いほど使用する帯域が低くなりますが、画質が荒くなったり、
パラパラマンガのように表示が遅くなってしまいます。





[詳細設定]は、ローカル環境では設定不要です。
初期設定のまま変更してはいけません。




その都度設定を行うのは面倒ですので、最初に説明したように
設定ファイルを保存しておくのがよいでしょう。
設定を完了したら、[接続] ボタンを押すとリモートデスクトップで接続できます。


(3) スマホからリモートデスクトップ接続をする

個人的にはオススメしませんし、使用もしていませんが、
AndroidスマホからWindowsへリモートデスクトップ接続をすることができます。
この場合、無線LAN経由で接続することになります。
携帯会社の回線経由のインターネット経由でも不可能ではありませんが、ルーターの設定が必要です。

オススメしない理由としては、
 ・理論上MACアドレスは隠せないので、ネゴ時をスキミングすればWPA2でも乗っ取りは可能である。
 ・偽装乗っ取りが成功した場合、外部からリモートデスクトップ接続ができる。
と、セキュリティ上の懸念になるためです。
WPA2はあくまでも通信内容の暗号化技術であることを理解すべきです。
ネットワークに接続できればコンピューター名が検索できます。パスワードが推測できるような安易な内容であれば、 簡単に乗っ取られるでしょう。
不要な懸念を増やさないためにも、リモートデスクトップ接続はLAN内で使用すべきです。
無線LANルーターには、内部ネットワーク内のコンピューターにアクセスできないようにする設定があるので、それを有効にします。

Microsoft Remote Desktop



□4.リモートで電源をONにする

リモートデスクトップは非常に便利なのですが、
接続先のパソコンの電源がONになっている必要があります。
遠くの部屋にパソコンを設置している場合、わざわざ電源を入れるために移動するのは面倒です。
WOL(Wake ON LAN )を使用すればリモートで電源をONすることができますが、
残念ながらWindowsの標準機能として準備されていません。
WOLで電源をONにする特別なパケットを「マジックパケット(Magic Packet)」といいますが、
これが送信できるソフトを準備する必要があります。

まずは、
アクセスされるほうのパソコンを設定します。
※上図のパソコン2〜4

流れとしては、
  (1) BIOSのWOLの設定を有効にする。
  (2) デバイスマネージャーのLANの設定で、WOLの設定を有効にする。
  (3) LANのMACアドレスを控えておく。
  (4) 電源管理の[シャットダウン設定]の[高速スタートアップを有効にする(推奨)]のチェックを外す。

を行います。
(3)は、コマンドプロンプト(cmd)から ipconfig /all で確認できます。
(4)は、Windows10の場合に行います。この設定が有効の場合、マジックパケットは無視されます。
WindowsUpdateを行いシステムの更新をすると、勝手にこの設定にチェックが入ることがあります。
システム更新後の再起動後には、シャットダウン前に勝手にチェックが入っていないか確認します。

次に、
リモートデスクトップに使用する端末を設定します。
※上図のパソコン1

流れとしては、
  (1) マジックパケットのソフトをインストールする。
  (2) 控えておいたMACアドレスを入力し、設定を完了する。
  (3) マジックパケットを送信して、電源がONになるか確認する。

を行います。
端末側はWOL機能をOFFにしてかまいません。WOLは、リモートで電源をONにしたい側のみ設定します。
マジックパケットの送信ソフトですが、これが難点です。
マジックパケットはAMDが考えた技術ですのでAMD製のソフトが一番良いのですが、
20世紀の頃には公開していたのですが今は公開されていません。
LANで有名なバッファローも昔は公開していたのですが、今は非公開のようです。
安心できそうな有名メーカーでは、どこも公開していません。
よって有名なフリーソフトを使用する、自分でソフトを作るの2択しかありません。
自分で作る場合は、ソケットを使用してUDPで送るだけの単純な機能を実装すれば動きます。
パケットの仕様は、wikiの「Wake-on-LAN」の「マジックパケット」の項目に載っています。

Wikipedia Wake-on-LAN




□5.リモートで電源をシャットダウンする

Windows10では、スタートボタンからシャットダウンを選択することができます。
しかしWindows7やXPなどでは、切断しか選べません。

シャットダウンをしたい場合は、デスクトップ画面がアクティブな状態でAlt+F4キーを押すと、
シャットダウンが選択可能なダイアログが表示されます。







>> まとめ2 〜レスポンス改善〜 に進む
>> まとめ3 〜Windows10でリモートデスクトップの速度を改善させる2〜 に進む




スポンサードリンク

TOPへ戻る


ご利用条件
 Copyright (C)SUWA TSUSHIN NETWORK. All Rights Reserved.