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No.4003 2016.1.17

※この記事は、諏訪通信ネットワークのコーヒーブレイクで掲載していたものです


ノイズの覚え書き2







□1.使用されている電波帯域


クルマでドライブレコーダーやスマホ充電器などのアクセサリーを使ったとき、 地デジの感度が下がった、GPSの感度が下がった、ラジオにノイズが載るといった症状が出るときがあります。
クルマには、下図のように様々な電波が使用されています。





ちなみに、携帯電話は下図の通りです。帯域が複雑に分散しています。携帯会社ごとに帯域が割り当てられ、 電波の送信・受信で帯域がずれています。相手の音声は鮮明なのに、こちらからの音声に音飛び等の雑音が 入ったり通話が途切れるといったトラブルも使用する帯域が異なるせいです。 もちろん基地局のアンテナ位置も携帯会社ごとにバラバラです。分布状況は、国によっても異なります。

総務省 各携帯電話事業者の通信方式と周波数帯について
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/eidsystem/competition12_02.html






□2.ノイズの影響


これらの帯域にノイズが載ると、GPSの位置精度が悪くなったり、地デジにブロックノイズが載ったり、 ラジオでは音として聞こえたりします。
一般的にノイズは、オシロスコープで測定すると鋭いエッジのある波形として観測されますが、 スペクトルアナライザで確認すると広い帯域のノイズの組み合わせであることがわかります。

ノイズはいろんな所で反射します。ノイズが○Hzのとき、回路上の輻射によって一般的にその逓倍(ていばい)の周波数のノイズも発生し、その現象をリンギングと呼び、その○Hzと逓倍されたすべての周波数のノイズをまとめて高調波と呼びます。リンギングは、終端抵抗などで抑えることができます。空間ノイズの場合、電波が筐体の金属等で反射します。吸収するには電波吸収体等が必要になります。 なお、スペクトルアナライザは電波測定用の測定器のため、電気回路の電圧をそのまま入れると壊れます。 アッテネーターで減衰(分圧)させて入力させる必要があります。





オシロスコープでsin波っぽい波形が観測されていても、実際にはsin波でないことがほとんどです。 無理矢理sin波に当てはめて○Hz程度のノイズが出ていると主張するのは間違いです。様々な周波数が組み合わされて1つの波形として見えているからです。





信号で用いられている矩形波は、エッジ部分が高い周波数の合成波です。
矩形波をスペアナで確認すると幅広い帯域で確認できます。安易にノイズをビーズインダクタで減衰させたり、セラコン等でカットオフさせると、矩形波のエッジ部分も丸くなってしまいます。

GBbpsレベルの高速デジタル回路では、同期クロックを基準にした規定時間内にスレッショルドを超えていれば問題ないため、矩形波の形状が汚いことが多いです。
スレッショルドが規定時間内で安定しているかどうかは、オシロスコープの矩形波にトリガを掛けて残像を残すように設定し、重なった残像がずれることなく細く重なっているかで判断します。これをアイパターン測定といいます。




矩形波に重畳しているノイズを調べるときは、重畳していないときの状態も必要です。 例えば矩形波に下図のようなノイズが載っていて、そのときの状況をスペアナで確認しても どこがノイズなのか分かりません。上図のノイズが載っていないときとの比較でノイズの状況 を確認する必要があります。








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