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No.4002 2016.1.15

※この記事は、諏訪通信ネットワークのコーヒーブレイクで掲載していたものです



ノイズの覚え書き1







□1.ノイズとは?


ノイズは、日本語で雑音と呼びます。基本的に電気です。
例えば電圧一定のときに意図しない電圧の変化があれば、それをノイズと呼びます。






□2.ノイズが重畳する仕組み


ノイズが乗ることを「重畳(ちょうじょう)する」と言います。
重畳には、回路内部での発生と、外部からの混入があります。
内部で発生原因は、

 ・電源(信号源)の変動 (例:スイッチングノイズ、安定化回路の故障)
 ・負荷の変動 (例:故障による周期的な負荷変動)
 ・経路の断線による瞬断 (例:はんだクラック)
 ・他の電源やGND、信号回路との瞬間的なショート
  (例:ウィスカ、マイグレーション、はんだ等の導通性の屑によるショート)

などがあります。
外部からの混入の原因は、

 ・アークや落雷等の高電圧源による電波(電界強度)が、
  電線ハーネスや基板パターンで受信して重畳される
 ・静電気などの高圧源が、電線ハーネスや基板パターンなどをリークして流れる

などがあります。

相互インダクタンスの磁界変化によるノイズもありますが、磁力変動の源は電流変化によるものです。
一般的に回路には必ず負荷があるため、例えばモーター等のインダクタからの電流も電圧ノイズに変換されて他に重畳されます。 使用環境や用途にもよりますが、一般的には電磁誘導よりも静電誘導が重視されて電界強度で耐性を考えます。

例えば自動車の場合、被覆が薄い低電圧用の電線が使われています。被覆が薄いため、線径の小型化、軽量化が実現できています。
低電圧で大きな電力を得ようとする場合、大きな電流を流す必要があるため、芯線が太めのより線が使われています。瞬間的に大電流が流れ始める、もしくは流れている大電流が遮断されると右ネジの法則によって磁界が発生し、隣り合う電線に影響を与えることもありますが、ほとんどが静電誘導や耐圧オーバーによるリークによって重畳します。影響の度合いは、寄生容量に比例します。一般にこれをクロストークと呼びます。




□3.ノイズの対策


対策としては、電線間の距離を離す、間にGND等を入れるなどがあります。
シールド線は、間にGND等を入れる対策のひとつです。
下図の場合、外部の信号3による影響がシールドに吸収されるため、内部の信号1と信号2は影響を受けません。このときのシールドは、GNDと同電位である必要があります。GND容量も大きい(≒ 導体抵抗 [Ω/m] が低い)必要があります。 金属メッシュを被せてあるだけで浮いてるシールド構造がありますが、その場合はメッシュがノイズを媒介して内部に流れてしまいます。




例えばATA100で使用される80芯フラットケーブルは、信号として使用される40芯の間に40芯分のGNDが入っており、距離も離れるため干渉を防いでいます。基板でも高速インタフェースの場合、信号間にGNDパターンを入れる場合があります。 下図の場合、信号1〜3の間にGNDがあり距離も離れているため、各信号による他信号への影響が緩和されます。



ノイズは交流信号として考えられるため、一定周波数以上の信号を雑音として考えてフィルターでGNDに捨てるといった方法も一般的です。ただしノイズ量が多い場合は単位時間辺りの電流量が高くなり、発熱して破壊の原因となります。




落雷やアーク溶接等の外部からの電界強度が大きなノイズの場合は、電線や基板パターンが受信アンテナとなって重畳します。
対策としては、基板を金属ケースで覆ってしまう、電線をシールドGNDで覆ってしまう等があります。高周波帯は、金属ケースで覆っても樹脂コネクタ部分等のすき間から進入してしまうことがあります。



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