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No.2035 2018.11.14




【カーナビはスマホを使おう】
Bluetooth Audio対応 カーオーディオ パイオニア DEH-5500
(製品レビュー)






□ 1.DEH-5500 の概要

2018年10月発売のパイオニア(carrozzeria)のカーオーディオです。
DEH-5400の後継機種のようで、性能や機能はほとんど同じです。
スマホとの連携が強化されて、デザインは大幅に変わりました。

USBメモリはもちろん、Bluetooth やワイドFMに対応し、
バスビートブラスターやアドバンスド・サウンドレトリバーなどの高音質化の機能も搭載されています。








□ 2.モデル一覧

兄弟機種としてDEH-6500とDEH-4500があります。
数千円の価格差ですが、デザインがまったく一緒なため、何が違うのか気になると思います。
そこで比較しやすいように違いをまとめてみました。

機種DEH-6500DEH-5500DEH-4500
CD
USBメモリ
アドバンスド
サウンドレトリバー
Bluetooth×
ナビボタン×
iPodボタン××
BASSボタン
RCA出力 フロント出力
LR x1
リア出力
LR x1
サブウーファー出力
LR x1
サブウーファー出力
またはリア出力
LR x1
サブウーファー出力
またはリア出力
LR x1
価格


DEH-4500はBluetoothが搭載されていません。グラフィックイコライザーも5バンドに簡略化されています。
微妙に意匠部分のデザインも異なります。ナビボタンの部分がBASSボタンに、BASSボタンの部分がiPodボタンに変更されています。

RCA出力は、基本的に外部アンプとの接続に使用します。
基本的にDEH-6500とDEH-5500の違いはRCA出力のみのようですので、
「外部アンプなんて使わないよ」という人はDEH-5500でOKだと思います。

分解して比較していませんが、もしかしたら回路の実装部品に違いがあるのかもしれません。





□ 3.イルミ電源(信号)に対応している

最近のケンウッドやクラリオンのカーオーディオは、イルミ電源を接続する配線が省略されています。
廉価機、高級機を問わず、イルミ信号入力が廃止されています。

では意匠部(前面のイルミ表示画面)に照度センサーが付いていて自動でイルミが調整されるのかといえば、
そんな機能は搭載されていないようです。 ただし、設定ではディマーの項目があり、予約した時間の範囲でディマーが有効になる機能は搭載されているようです。

つまり昼間に地下駐車場やトンネル内では、眩しいと感じても減光させる手段がないのです。
(ディマーの物理ボタンがあり、それを押すことでON/OFFできる機種もあります)

パイオニアのカーオーディオにおいても一時期において省略させる兆候がみられましたが、
最近では復活させているようです。

スモールライトに連動させて暗くさせたい場合は、カロッツェリア一択となるでしょう。






なお、最近の車種ではオーディオコネクタ用のイルミ信号が省略されている場合があるようです。
その場合、エアコンやハザード等のイルミ信号から横取りして入力する必要があります。
カーオーディオ側はイルミ信号をあくまでも信号として用い、
照明用の電力として用いることはないため、分岐をさせても電力が足りなくなることはありません。
ただし、このときのイルミ信号は高速で電圧をON/OFFさせて輝度調整を
している場合があります。
輝度を暗くしている場合はカーオーディオ側ではONと認識できない場合があるため、
ON一定となるような中間回路が必要な場合があります。

回路の一例は以下の記事で紹介しています。

 No.2026 調光機能付きイルミネーションから安定してイルミ電源を取る方法






□ 4.自分のクルマは2DINなんだけど・・・

最近のクルマは必ずカーナビが取り付けできるように、2DINか2DINワイドの設計となっています。
ですので1DINのオーディオを取り付けると、1DIN分の隙間ができてしまいます。 通常は小物入れなどを取り付けて隙間を埋めます。小物入れの中にETCユニットを取り付けると便利です。



カロッツェリア(パイオニア) Dサイズ用小物入れ AD-378
カロッツェリア純正の小物入れです。





カロッツェリア(パイオニア) 1DINサイズ用 小物入れ AD-379
こちらは前面に蓋が付いているため、若干価格が高めです。





ENDY(エンディー) 1DINポケット グローブボックス ブラック EGB-200B
ENDYは昭和の時代からある老舗のカーアクセサリーメーカーです。
引き出し式の小物入れです。





槌屋ヤック オーディオパーツ DIN BOX フリータイプ VP-D1
Amazon最安で人気の小物入れです。

VP-D1は、オプションで蓋も取り付けられます。
他にも1DINハーフですが、灰皿やスマホホルダーなど色々なタイプがあります。
(以下のフタの販売ページから、灰皿やスマホホルダーなどが選べます。)



槌屋ヤック オーディオパーツ DIN BOX タブレットホルダー VP-D13
スマホホルダーは、2DINの物もあるようです。ホルダは収納できないようです。





小物入れなんか使いたくないという人も少なくないと思います。
そんな人には2DINのオーディオをおすすめします。
2DINのオーディオには2通りあり、
カーナビやテレビ機能を省略したディスプレイオーディオと呼ばれるタイプと、
昔からのイルミとボタンのみで、文字表示のみの通常のオーディオがあります。

ディスプレイオーディオは、
FH-9400DVS(左上)、FH-7400DVD(右上)、FH-6200DVD(下)などが該当します。
バックカメラが接続でき、地デジチューナーも外付けで対応できます。




通常のオーディオは、FH-4400(左)とFH-3100(右)があります。
両者はデザインとBluetoothの有無に違いがあるだけのようです。





トヨタ車等の2DINワイドのクルマに取り付けると、左右にも隙間ができてしまいます。
それを埋めるパーツがサイドパネルです。トヨタ(ダイハツ等含む)と日産系の2種類があるようです。
メーカーは、エーモン、ナビック、ENDY の3社があるようです。
ここでは紹介しませんが、USBやAUX付きのサイドパネルもあるようです。
しかしDEH-5500には背面にUSBやAUXコネクタがないため、取り付けても意味がありません。



(a)トヨタ車用

エーモン AODEA(オーディア) トヨタワイドパネル トヨタ車用 2276

ナビック(NAVC) トヨタ車用 200mm幅対応 サイドパネル スペーサー NBC505T-PNL

ENDY(エンディー) フェイスパネル トヨタ車用 2DIN EFK-010T

ENDY (エンディー) フェイスパネルトヨタ用/アクア等新型トヨタ対応品 EFK-013T




(b)日産車用

エーモン AODEA(オーディア) 日産ワイドパネル 日産車用 2277

ナビック(NAVC) 日産車用1 200mm幅対応 サイドパネル スペーサー 取付ネジ付 518NA

ナビック(NAVC) 日産車用2 200mm幅対応 サイドパネル スペーサー 取付ネジ付 518ST








□ 5.デザイン

(1) DEH-5500とDEH-5400の比較

以下の図の下が2017年発売のDEH-5400、上が2018年発売のDEH-5500です。
デザインや雰囲気が大幅に変更されています。
今まで微妙だったデザインが、驚くぐらい創り込まれています。
高級感が増し、使いやすさが大幅に改善されています。





(2) 右側のイルミバー

DEH-5400までの懸念点の1つであった右側のイルミバーのデザインが変更されました。
DEH-5400では、夜にイルミを点灯させていると、右側のイルミバーが 眩しい感じでした。



この部分がドット調になり、眩しさがなくなりました。



(3) ロータリーコマンダー

音量つまみ(ノブ)のデザインも変更されました。
DEH-5400まではバブル時代のシャンデリアような派手なデザインだったのですが、
DEH-5500ではシンプルでスタイリッシュなデザインになりました。
位置も若干右側に寄ったため、運転席からの操作がしやすくなりました。


左 DEH-5400 / 右 DEH-5500


(4) ボタンの明るさが落ち着いた

DEH-5400では、ボタンの縁にイルミが組み込まれました。
DEH-5500ではこの縁のイルミが削除されました。
DEH-5400では明らかにボタンが明るすぎたのですが、落ち着いた感じになりました。


上 DEH-5500 / 下 DEH-5400



(5) ボタンがフラットになった

DEH-5400 までは普通のボタン構造の物理キーだったのですが、
DEH-5500 ではニンテンドー 3DSのスタート、セレクト、ホームボタンのようにフラットになりました。
楽ナビでいうと、AVIC-MRZ099のような感じです。
クリック感はしっかりとあり、DEH-5400よりも軽くてカチッとした押し心地があります。



(6) つまみの下にもボタンが配置

DEH-5500では、ロータリーコマンダーの下にもボタンが配置されました。
つまみが邪魔でボタンが押しづらいのではないかと懸念しましたが、
実際に操作してみるとまったくそんなことはなくスムーズにボタンが押せます。
つまみ下まで伸ばして配置することで1つ1つのボタンが幅広くなったため、
より押しやすくなったのだと思います。


左 DEH-5400 / 右 DEH-5500


ボタン幅の比較
上 DEH-5500 / 下 DEH-5400



ボタンの角度も変更され、下部が突き出るようなレイアウトとなりました。
押しやすさを考えてのことでしょう。


左 DEH-5400 / 右 DEH-5500


ボタンの角度(実際の角度や寸法とは異なります)
左 DEH-5400 / 右 DEH-5500



(7) 画面の文字表示が真っすぐになった

DEH-5400 では斜体フォントだったのですが、
DEH-5500 は真っすぐのフォントになり、よりスタイリッシュになりました。


上 DEH-5500 / 下 DEH-5400



今回の2018モデルでは、特に欠点が見当たりませんでした。それでもダメ出しをするとしたら、イルミの白があまり白くないことくらいでしょうか。しかしこれはスマホからの微調整でなんとかなります。改悪が一切なく、操作感やデザインが大幅に進化して改善しています。変更点は細部まで作り込まれている印象です。2019モデルでは更に進化することを期待したいですね。




□ 4.その他の外観

外箱です。DEH-5400と同一デザイン、同一サイズです。


内容物です。リモコンなどは、DEH-5400と同じ物です。


DEH-5400との天板部分の比較です。どちらがDEH-5500なのか分かるでしょうか?
右がDEH-5500です。


背面の比較です。上がDEH-5500です。


底面の比較です。左がDEH-5400です。
底面の板金も違いはみられません。
しかし切り欠き部分から基板を覗くとビアが追加されているのが分かります。
しかもリード用のスルーホールのようです。
ネジ近くにあるので、GND強化といったEMC的なものだと思われます。
剛性的には歪みや共振で割れてしまいそうな気もしますが。
回路系もデザインと同じように、より作り込まれていることが分かります。
蓋を開けて分解して、基板を比較してみたい欲に駆られます。

左 DEH-5400 / 右 DEH-5500


左 DEH-5400 / 右 DEH-5500


前面パネルの比較です。上がDEH-5500です。




□ 5.アドバンスド・サウンドレトリバー

基本的にDEH-5300と同じです。
詳細はDEH-5300の記事を参照してください。



□ 6.Bluetoothオーディオ

基本的にDEH-5300やDEH-5400と同じです。詳細はDEH-5300の記事を参照してください。
ペアリング時の接続性については遅延もなく、普通にペアリングできます。
ペアリングについては、公式の特設サイトも開設されています。

パイオニア DEH-5500 ペアリングの流れ
https://jpn.pioneer/ja/carrozzeria/car_av/av_mainunit/deh-5500/pairing/







□ 7.スマホとの連携

スマホとUSB接続もしくはBluetooth接続し、カーオーディオを操作する機能があります。
Youtubeの音楽をBluetooth経由で再生したり、スマホからイルミの色やサウンドの設定をしたり、
カーステレオ側からスマホのナビソフトを起動したりできます。


使用するには、Google Playで「Pioneer Smart Sync」をインストールする必要があります。
Google Playで検索すると似たようなツールが色々出てきますが、パイオニア公式はこのPioneer Smart Syncです。




DEH-5400まではPioneer ARC だったのですが、DEH-5500では非対応なようでUSBでもBluetoothでも写真のように接続できませんでした。ただしBluetooth経由で音楽は流せます。




Bluetoothのペアリングは、特にもたつきもなくスムーズにできました。
DEH-5300等ではまともにできなかったのですが、かなり完成度が高まったように感じます。
Pioneer Smart Syncからもペアリング可能ですが、その場合はもたつきやDEH-5500を認識できない場合がありました。 直接ペアリングしたほうがよさそうです。

DEH-5500から新たに追加されたのが、このナビボタン。
Pioneer Smart SyncをインストールしてUSBかBluetoothで繋げておくと、カーオーディオ側のナビボタンを押したときにGoogleマップを起動、表示する機能です。大したことない機能ですが、カーオーディオ側からスマホを操作できるようになったのは、スマホ連携の着実な一歩と言えます。

 
ナビボタンを押すと、Googleマップが起動します


初期状態では、スマホとの連携はUSBケーブル接続で行う設定になっています。
Bluetoothで連携させたい場合は、DEH-5500の設定変更を行う必要があります。
ソースをOFFにした状態でロータリーコマンダーを押してMENUを開きます。
[SYSTEM]-[APP CONTROL] が接続の設定になります。
[WIRED] がUSB接続での操作、[BLUETOOTH] がBluetooth接続での操作となります。
なお、Bluetooth接続ではオーディオのほとんどの設定ができないようです。
今後のアプリのバージョンアップ等で対応されるかもしれませんが、2018年11月現在ではできません。



売りであるスマホ側でオーディオ設定ができる機能です。
イルミの設定ができる機能ですが、UIが変更になりました。
指でタッチすると近くの別の色を選んでしまう場合があるので、個人的には少し使いにくいと思いました。
タブレットではよい感じかもしれませんし、大まかな色合わせはしやすい感じです。

 


音響設定は、色々な項目が増えました。31バンドイコライザーは何となく凄いですが、DEH-5500の仕様上では13バンドと規定されています。内蔵DSPの本来の性能は31バンド対応ということでしょうか?イコライザーはタッチ操作で簡単にできます。

 


スーパー轟サウンドは、音の厚みを強調するエフェクト機能のようです。
「スーパー轟サウンド」は少なくとも楽ナビには非搭載の機能ですので、 もしかしたらサイバーナビ等には搭載されているのかな?と思いGoogle検索をしてみましたが、 出てきたのは轟轟戦隊ボウケンジャー ばかりでした。

試しに有効にしてみると確かに音に大きな変化がありますが、かすかな雑音が載っているようです。
ソースをUSBにして非再生状態でSUPER HIGHにすると、とても大きなピンクノイズの雑音が聴こえます。 冷却ファンのノイズ音でしょうか?音楽の再生中はほとんど聴こえなくなりますが、それでも少しは聴こえます。
出てきたばかりの機能ですので、今後作り込まれていくのだと思います。



スマホ連携でできる機能は、公式サイトで分かりやすく説明されています。

パイオニア DEH-5500 スマートフォンリンク
https://jpn.pioneer/ja/carrozzeria/car_av/av_mainunit/deh-5500/smartphone.php



□ 8.まとめ

デザインが大幅に改善されて進化しました。
純粋にカーオーティオとして見てみると豊富なイコライザー機能を持ち、
carrozzeriaのオーディオ専用機としての期待通りの機能と品質を持っています。
その一方で元の音楽データにノイズが載っていると、そのノイズも気になるようになりました。
例えばWMAでビットレートが256kbpsと350kbpsでは、ハッキリと音が違うように感じられます。
(気のせいかもしれませんが、DEH-5400と比べて単純に暗ノイズが増えたような気もします。
回路や部品や波形を見比べられない限り何とも言えませんが。)
12,000円(2018年11月現在)でお釣りがくるのであれば、買いだと思います。



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