Copyright (C)SUWA TSUSHIN NETWORK.
All Rights Reserved. TOPへ戻る

No.2015 2016.5.18


ブレーキの効きが悪いときの原因





最近のクルマは、10年経過しても10万km走行しても、当然のように乗り続けられます。何かの部品が壊れることも少ないと思います。 しかしエアバッグ問題のように、経年変化や偶然が重なることによってブレーキ系統にも異常が発生することがあります。 最近のクルマではまず起きえない症状ですが、産業製品である以上はコストと安全性が天秤に掛けられ、想定外も絶対に起き得ないとは言い切れません。




□1.ブレーキペダルが重い

効かない訳ではないが、全体重を掛ける気持ちで強く踏まないと止まれない。
という場合は、ブレーキブースターに異常があるかもしれません。


(1) バキュームホースのクラック

バキュームホースはゴムホースです。外車の場合は樹脂系ホースの場合もあるようです。経年変化でゴムの弾性がなくなり、エンジンの振動や熱ストレスによってホースにひび割れが発生することがあります。ひび割れ部分から空気を吸い込んでしまい、ブレーキブースターに負圧が掛からなくなります。


(2) ワンウェイバルブの固着や不良

バキュームホース内や経路上にあるワンウェイバルブが固着したり不良になると、ブレーキブースターに安定して負圧が掛からないため、ブレーキペダルが重く感じることがあります。信号等で停車するときには効きが悪い感じがするのに、右足でアクセルを少し踏んだまま左足でブレーキを掛けるとブレーキが強く効くように感じる場合は、バルブが怪しいでしょう。





ブレーキブースターの原理は、バキューム圧の負圧と大気圧との気圧差を踏力に追加し、キャリパーのバッドをディスクに押しつける力を増大させます。踏力のみでは押し付ける力が弱く、ブレーキの効きが悪い状態になります。運転席側の気圧は、ブースター内のスプリングやシリンダー機構によって制御されます。






(3) マスターシリンダー内のピストンシールの劣化不良

マスターシリンダー内のピストンシールが劣化していると、ピストンを押すはずのブレーキライン内の圧力がリザーバータンク内に抜けてしまいます。昭和の頃は、実際にブレーキが効かなくなる事故もあったようで、定期的にオーバーホールする必要がありました。現在のクルマではまず起きえない症状で、オーバーホールも基本的に不要です。実際のピストンは下図と異なり複雑な構造で、 2個のピストンと4個以上のピストンシールが組み込まれています。 ABS対応かどうかによって構造が異なり、メーカーによっても構造が異なります。








□2.ブレーキを踏んでるのに滑ってる感じになって止まらない


ブレーキを踏んでるのに力が入らない感じになる。
ブレーキのカチッとした踏み応えがなく、グニャッとした感じでブレーキが効かない。
といった場合は、ブレーキラインに問題があるかもしれません。


(1) エアー抜きが不十分

ブレーキキャリパーをオーバーホールすると、ブレーキホースや配管内、キャリパー内に空気が混入してブレーキフルードで完全に満たされていない状態になることがあります。空気が入り込んでいると、空気がアブソーバーになってしまいブレーキフルードの圧力が伝わりにくくなってしまいます。


(2) ベーパーロック現象

ブレーキパッドの摩擦熱による加熱はブレーキフルードにも伝わります。ブレーキフルードを何年も使い続けると水蒸気を吸着するため沸点が下がり、鍋でお湯を沸かしているときのように気泡が発生します。これを一般的にベーパーロック現象と呼びます。峠道などでブレーキを酷使すると、このような状態になりブレーキが効きにくくなります。

昔のバスやトラックでは、途中まで圧縮空気によるブレーキラインが通り、ドラムブレーキのブレーキシュー付近はフルードによる油圧が使用されていました。ブレーキシューは性能を保っていても油圧部分で気泡が発生してしまい、自己倍力作用のあるドラムブレーキですらブレーキが効かなくなって事故を起こすことがありました。





□3.ブレーキフルードの選び方

ブレーキフルードを交換するときには、DOT4にするかDOT3にするか悩むむと思います。DOT4は沸点が高く、DOT3は吸湿しにくい特性があります。サーキットで走行するならDOT4は必須ですが、何年もフルードを交換したくないのであれば、DOT3がオススメです。

DOT3よりもDOT4のほうがフルードの粘度が高いため、DOT3用で設計されたブレーキラインでDOT4を使うのは注意が必要です。冬の路面が凍結しているような朝の通勤時で走行し始めたような状況下では、フルードの粘度が更に高くなっています。高い粘度によってABS動作時のリターンポンプの性能が出ず、油圧の抜けが悪いため軽くスリップする等の不具合が発生することもあるようです。最近出てきたDOT5.1では、粘度がDOT3よりも低くなるため、この問題も解決されるようです。
例えば30系プリウスの場合の純正指定のフルードは「トヨタ純正 ブレーキフルード 2500H」となっています。このフルードは、DOT3です。

ちなみに、DOT5とDOT5.1はまったく別の種類のフルードですので、絶対に混ぜてはいけません。DOT5は基本的に使用不可です。DOT5は古い一部のハーレーダビッドソン等のバイクで使われています。







スポンサードリンク

TOPへ戻る


ご利用条件
 Copyright (C)SUWA TSUSHIN NETWORK. All Rights Reserved.