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No.2555 2023.1.24



BMW E46 ミッション警告灯とアイドリング不調を治す






□ 1.ある日突然に警告灯が

走行中に突然、写真のような警告表示が出ました。シフトアップやシフトダウン時にシフトショックの衝撃が強く発生し、もしやトランスミッションの故障かと青ざめてしまいました。





診断機でトランスミッションのエラーコードを確認してみましたが、ダイアグコードがありませんでした。これではお手上げです。




念のためエンジンのエラーコードを確認したところ、P0101 08 Signal, air-mass flow sensor、P0340 41 Signal, inlet-camshaft senser の2つのコードが表示されてました。よくよく思い出してみると、最近アイドリングが不安定だったため、アイドルバルブの清掃をしなくてはと思っていたところでした。エアフローセンサは交換したばかりで、VANOS付近に付いているカムセンサーも交換歴があります。




海外のサイトで調べてみたところ、アイドリング不調が発生するとトランスミッションECUがトランスミッションの不具合によるものだと誤判定して、シフトショック制御を行わないフェールセーフ動作になるとのことです。今回の修理後に、試しに正常な状態でエアフローセンサのコネクタを抜いてエンジンを掛けると、アイドリング不調となってトランスミッションの警告表示が出ることを確認しました。
ですので今回は、アイドルバルブの清掃を行います。E46 6気筒エンジンのアイドリング不調の8割くらいは、このアイドルバルブの固着によるものです。最悪なのは、固着してもバルブが異常であると故障ダイアグが出ることはありません。

国産車ではISCV、ICV、アイドルコントロールバルブ等と呼ばれています。最近のクルマはフライバイワイヤーでエンジンECUがモーターを動かしてスロットル制御を行っているため、コントロールバルブは付いていません。




□ 2.アイドルバルブ取り外し手順

作業的には、面倒で時間が掛かります。
しかしディーラーに頼むと清掃ではなく交換となるため、自分でやりましょう。
15000〜20000kmごとに清掃しないと不調になります。
前準備として、エアクリーナーボックスとエアフローセンサーを外しておきます。


最初にエンジンルーム内の仕切りを外します。今回の作業で一番の難所となります。
つまみを回して取り、ラバーモールや各ホースを外して、仕切りを上に持ち上げるように外すのですが、知恵の輪のようにうまく仕切り板を動かさないと抜けません。




次はインテークホースのエアクリーナー側と中間にある樹脂製の連結パイプを外します。
インテーク側は、まだ付けたままにしておきます。




次は、可変インテークを制御するバルブを外します。エンジン回転数によって6気筒均等にエアを吸い込むようにするか、3気筒ごとに分けて吸気するかを制御するものです。排気系ではよくあるシステムです。
トルクスネジで、1ヶ所は見えにくいところで留まっています。ネジを外したら、力強く引っ張れば外れます。




インテーク側のインテークホースを外します。大きいほうも小さいほうも、各々ホースバンドで固定されています。




ハーネスボックスを固定しているブラケットを外します。六角ナットとボルトで固定されています。




スロットルケーブルを引っ張って、ケーブルホルダから外します。外すときは、調整ネジを回さないように気を付けます。取り付けたときは、スロットルの遊びが気になるようでしたらネジを回して調整します。




アイドルバルブのコネクタを外します。




アイドルバルブを固定しているブラケットのトルクスネジを外します。




写真のように引っ張れば外れますが、固着していて鬼のように固いと思います。




アイドルバルブが刺さる部分は、ススで真っ黒だと思います。キャブクリーナー等を使ってウエス等で綺麗に清掃します。




アイドルバルブをブラケットから外します。ゴムバンドで留まっています。ブラケットに組み付けるときは、写真と同じ向きになるようにします。




アイドルバルブはボッシュ製です。




バルブ内部です。このバルブが固着しているとアイドリング不調となります。 内部の見える部分のスス汚れをすべて清掃して綺麗にします。バルブ部分は、キャブクリーナーや遅乾性パーツクリーナー等をバルブ内部に沢山吹き掛けて、両手でバルブを塞いで洗浄液をシェイクするように振って清掃します。







バルブの動く部分にベアリングが使用されているため、清掃後は必ずバルブの左右に浸透潤滑剤を吹き掛けて、潤滑剤が付け根に染みこむようにします。CRC5-56だと10000km持たずに再固着してしまうため、持続力があり、かつ粘性の低い浸透潤滑剤を使用します。

キチンと清掃すると、動画のように振っただけでバルブが動くようになります。





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