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No.2552 2022.7.3




サンバートラック TT2 ラジオ(オーディオ)イルミ照明の修理






□ 1.時計のバックライトが点灯しない

ラジオに付いている時計のバックライトが点灯しないため、夜間走行中に時刻の確認ができません。イルミに連動せず、日中でも点灯する部分です。LED照明の故障だと思われるため、修理することにします。今回のラジオは、スバル純正品で86201TC160です。

ラジオの取り外し方は、他で調べてみてください。ダッシュボード前面の樹脂は、引っ張って外します。ラジオアンテナの線は、運転席足元付近でコネクタを外します。

     

オーディオ前面の左右にあるネジを外します。




ボリュームつまみを、引っ張って外します。




オーディオ前面を引っ張って外します。1ヶ所、矢印の位置に爪があるので、爪の部分を押しながら引っ張ります。




前面が外れた状態です。




矢印の位置に、時計バックライトの照明LEDがあります。




天板を外します。矢印のように金属の凹凸で嵌っているだけですので、天板を上に押し上げて外します。




天板を外した状態です。真ん中のカセットデッキを外していきます。




バックライトの照明LEDを外すには、白いケース部分を外す必要があります。




ボリューム側のナットを、モンキレンチ等を使用して外します。上側のトーンのつまみは、外さないままにします。




カセットデッキ周囲の4ヶ所のネジを外します。




矢印の2か所のコネクタと1ヶ所のクランプを外して、デッキを横に移動させます。




1ヶ所のケーブルは基板から外れないのでそのままにしておきます。引っ張って断線させないように気を付けましょう。




ケースとヒートシンクを接合させているネジを2か所外します。




基板を固定している赤矢印5か所のはんだを取り除き、ラジオペンチ等で金属で折り曲げてある部分を穴が通るように真っすぐにします。ピンク矢印の部分ははんだが載っていないので、そのままラジオペンチで真っすぐにします。




アンテナモジュール部分は金属シールドにはんだ付けされているので、高出力の半田ごてを使用しないとはんだが溶けないと思います。




電源コネクタ付近はこて先が入りにくいので、こて先が周りの電解コンに触れないよう注意しましょう。




アンテナモジュール付近も、作業しにくいので注意が必要です。




LCD付近は、こて先が白いケースに当たらないよう注意しましょう。




デッキとLCDの間です。こて先が白いケースに当たらないよう注意しましょう。




ここは、はんだ付けされていないので、金属の突起を真っすぐにするだけです。




ラジオアンテナのケーブルコネクタを引っ張って外します。




ケースから基板を外します。




基板裏面です。




面白い部分がありました。基板をくり抜いて、ICの足の部分を逆に使っています。片面基板での回路レイアウトの単純化や実装高さを低くする取り組みだと思いますが、よくも冗談みたいなことを実際にやったなあと感心します。10年10万kmは超えている状態ですが、はんだの状態は悪くなく、信頼性も問題なさそうです。




基板パターンにも面白い部分がありました。昔(2000年半ばくらいまで)の考えでは、配線を分岐させる場合はなるべく根元でやりましょうという考えがありました。負荷変動時の過度特性を考えてのことですが、パスコンの適切なレイアウトや定数設定、シリーズ選定をしたほうが効果が得られます。負荷変動特性(安定性)は良くなりますが、配線長が長くなるためEMC特性は逆に悪化します。4層以上の多層基板では内層にGND、電源層が入りますが、大きな負荷変動の場合はベタ内部でも疎密ができます。ビアが一か所に集中して配線されているような場合は、同様な設計思想で作られていると思われます。




LCDのケースを外すために、2か所のはんだを取り除き、1ヶ所のネジを外します。




LCD前面部の金属フレームは、矢印の部分の突起を真っすぐにして外します。




ケースが外れました。




裏面の実装を追っていくと、トランジスタの下に271のチップ抵抗が3つ並列していて、その下に電球があります。電球の片側はGNDに落ちています。130mA(@14V Vf=2.3 90Ω)は、LEDとしては大きすぎる気がします。チップ抵抗を2個外して270Ωで動かしたほうが良いかもしれません。




はんだを吸い取って電球を外し、LEDを取り付けます。基板の外側がマイナス、内側がプラスです。 LEDを取り付けたら、逆の手順で組み立てます。




外した電球を分解してみると、LEDではなく単なる麦電球でした。麦電球はご存知の通り必ず切れますが、はんだ付けされていて簡単に交換できない設計にしてあるのは悪質です。一般的にはT3などの交換可能な電球が使えるように設計します。ホントに悪質だと思います。




ついでにパネル部分の電球も交換します。




基板は樹脂エスカッションの爪の部分で嵌っているだけです。




コネクタ部分には、ご親切に信号名のシルク印刷があります。はんだ付け部分の左から2番目がイルミ電源、3番目がGNDです。




外した基板です。こちらもダイソー製品でよく使われているような片面基板でした。電球が3つ付いています。




電球1つにつき、102(1kΩ)が6個並列で実装されています。70mA(@14V Vf=2.3 166Ω)は、LEDとしては少し大きいので抵抗を外すか大きい抵抗値に変更するなどして調整したほうがよいでしょう。




LEDに交換して動作させてみた状態です。時計部分は良い感じです。ボタン部分は輝度ムラが大きくなってしまいました。







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